2019/07/27 12:27
はじめまして。
modesteria代表の江田と申します。
代表と言っても個人事業なので言い方次第ですが…
はじめてのブログなので自己紹介をしようと思います。
modesteriaのこと、代表江田のこと。
少しばかりお付き合い宜しくお願いいたします。
まずはmodesteriaについて。
モデステリアと読みます。
2016年に立ち上げ、革製品の製造販売をしています。
こちらはホームページのaboutでも書いたのですがmodesteriaとは造語です。
謙虚、上品、ささやかな、などの意味を持つ〝modest″
店、製造所などの意味を持つ〝eria″
この二つの言葉を掛け合わせた言葉がmodesteriaです。
謙虚、上品、素敵な言葉ですね笑
謙虚な姿勢で革と向き合い、革の裁断から革漉き、縫製、検品、配送、webまで一貫して自分で行なっています。
ちなみにmodesteriaの中に○.Edaという自分の名前のイニシャルが入っているとかいないとか笑
続いては職人である私、江田のことをお話しします。
まずもの作りをいつからしているのか遡る事にしましょう。
恐らくもの作りのはじめは幼少期になるかと思います。
小学生の低学年頃にはすでに地元のお絵描き教室に通っていました。
サッカーなどスポーツもしていたのですがここでは割愛します。
お絵描き教室では油絵を描いていました。
決して大きな教室ではありませんでしたが、そこには逸材がゴロゴロといました。
全国区のコンクールでもバンバンと賞を獲るよな人たちが揃っていました。ちなみに私もちょこちょこと笑
中でも同級生の友達2人は素晴らしく、今でも良い関係を続ける事ができています。
今思えば彼らがいなければお絵描き教室はやめていたのではないかと思います。
そうしたら後に書きますが美大に行く事もなく、もの作りの道を歩むことは無かったのではないかと。
縁とは味わい深いものですね。
ただ今の所まだ革の匂いはしてきません。
そのまま私は高校卒業までお絵描き教室に通い、京都の美大に行く事になりました。
私は千葉出身なのですが、何故東京では無く京都だったのか?
何となく受かりそうだったからです。
そして京都は推薦で受験し合格しました。
あとは東京芸大一本に絞っていたのですが無情にも不合格。京都行きが確定しました。
京都では絵は描かず、染織というコースを専攻しました。
何故絵を続けなかったのか、理由は二つあります。
一つは自分の絵が好きでは無かったという事。
身近に素晴らしい絵を描く人が多すぎたのが原因かもしれません。
先ほど話した同級生は勿論の事、私には兄がいるのですが、兄も絵を描いていました。
子供ながらに天才の類だなと兄を羨んでいました。
まあ単純に絵を諦めたという話しです。
二つ目の理由も安直で、どうせ京都なら京都っぽいことをしたいというノリでした。
染物、織物、編み物、いかにも京都っぽく、千葉出身の18歳にはとても粋に思えたのでした。
その染織コースではある程度自由にモノをつくらせてもらうことができ、糸から染めて服やカバンを作る事をしていた時期がありました。
その時はアート作品より実用的なものを作る方が向いているのではないかと思ったりもしました。
そうこうしているうちにあっという間に卒業の時期が近づいてきました。
就職なんかしないでアート活動をしていくんだ!と意気込んではいたのですが、だんだんと不安になってきて、卒業間近で就活を始めました。
色々リアルに見えてきてひよった訳です…
手で作る仕事なら何でも良かったのでとりあえず募集しているところを受けました。本当に服でも靴でも帽子でもなんでも良かったのです。
たまたま募集していたところは革の鞄を作っている工場でした。
面接をしたらいつからこれる?とのこと。
私は革の知識は全くなかったので、多少不安はありましたが、こんなギリギリの時期に受け入れてもらえて大変感謝しました。
成り行き人生に終止符を打ち、そこから革の道を一気に走り始めました。
本当に縁とは凄いものです。
もし募集していたところが帽子屋さんで、そこで就職をしてたなら今頃はフェルトで帽子を作っていたかもしれません笑
そうして数年間勤めた後、スキルアップを求めるようになり、別の鞄工場に転職、その会社で数年後には取引先の小物工場に出向にいかせてもらい財布などの作り方を学びました。
鞄と財布ではこんなにも作り方が違うのかと衝撃を受けたのがつい昨日のようです笑
出向までさせてもらって会社には凄く感謝はしていたのですが、30歳の時に独立をしました。
これは新卒の時から決めていた事でした。
当初大学を卒業したらアート活動をしていこうと思っていたくらいでしたので、就職してからというもの修行という意味で一定期間を設けてから一人立ちしようとずっと考えていました。
ありがとう◯◯鞄製造所、こんにちはmodesteria。
ただスキルを身に付けるだけで8年間を費やしてしまい、肝心なブランドの方向性などはあまり考えられていないまま30歳になってしまいました。しかし22歳から決めていたことなので勢いで独立をしました。
余談ですが現在の年齢がバレそうですね。
職人としてはまだ若い方だと勝手に思っているのですが、とりあえず2019年現在は職人歴は10年オーバーです。
独立してからというもの、最初はブランドをガンガン進めるつもりだったのですが、当然何も考えていないゼロベース状態だったので、米や味噌を買うためには下請け仕事もしなくては余裕がありませんでした。
多くのブランドやメーカーさんから仕事をもらい、日々をこなしていました。
工賃仕事で一本幾らという感じなのですが、値段交渉もできて生活するには充分に潤いました。
その後数年がたち気付いたら下請け9.5割、ブランド0.5割という割合になっていました。
全然ブランドが出来てない!
なんか思い描いていた独立と違う!
心も疲れてきていて、思い切って下請け仕事を辞める事にしました。
そこで私は本当に体力も心も疲れていたので3ヶ月ほど休暇を取る事にしました。
その間に色々と考えました。
どんな商品を作ろうか?
どんなブランドにしていこうか?
そもそも革を続けるのか?
革って動物の命だよな?
大量生産をしていると忘れがちになるのですが、革という素材は命なんだなぁと改めて考えてしまい、頭の中がグルングルンしてしまいました。
その結果、自分の扱っている素材の革、牛のことを全然知らない事に気付き、勿論知識としては知っていますが、生で触れ合い五感で感じ取った記憶はこの仕事を始めてからは無いなと。
会社勤めの時に海外のワニの養殖現場に出向き、皮を剥がれる所などを見学したことはあったのですが、当時の私はあまり興味が持てず、それほど記憶には残っていません。
人は意識する事によって物事の見え方が変わるものですね。
なので私は生の体験が欲しく頭に刻みたかったので、牛の搾乳に行き、屠殺場の見学に行きました。
改めて自分の扱っている素材がどういったものかを考えさせられるには充分過ぎる経験ができました。
またそこから産業動物や畜産などについて考えるようになり、食育や温暖化などの環境問題に辿りついてしまいました。
ここでは長くなり過ぎるのでまた別の機会に詳しく書きたいと思いますが、人が生きるために動物を育て、食べる為に皮を剥ぎ、副産物という言い方をして革を鞣し製品を作る。
その工程で温暖化などの影響が出ているのです。
勿論、肉食を否定するつもりは無いし、私自身革製品は作り続けていくつもりです。
考えるべきは大量生産、大量消費の世界だと感じています。
大量にものを作れば安く作れます。
安いのは嬉しい。
でもそれが供給過多なら?
ゴミになる他ありません。
ゴミは環境問題につながります。
少し飛躍しますが動物の生態系にも影響を与えます。
ここで話していることはごく一部のことであって伝えたいことは他に沢山あるのですが、文章が苦手なもので、自分の想いを過不足なく伝えるのは難しいのですが、一つ伝えたい事があります。
それは単純なことで、消費という行動を多くの人が見直してほしいということです。
ただ気に入ったから、安いからだけではなく、この商品が作られる時に賃金や人権問題、環境問題などはないだろうか?とか、この商品を売っている起業は何か社会活動などはしているのだろうか?など少し考えてから物を選び、消費してもらいたいなと、そんなことを考えるようになりました。
商品の値段以上の価値を見出し、選べるように消費者が成長していければ、きっと世の中が少しずついい方向に動くのではないかと考えています。
私も作る側として、革や材料を仕入れる時に、なるべく環境に優しく作られた素材を選んだり、安く出来るからといって大量生産に走ったりせず、出来る範囲で環境等に意識を向けていきたいと思います。
ここまで環境問題や動物について書いてきましたが、ここ最近の休暇中に思い至った事であって、まだまだ勉強不足で知識もありません。
もしかしたら自分の中でいつか考え方が変わるかもわかりません。
ですが、今はただ作りたいものを作るだけではなく、環境問題や動物の命などに関われるように働いて行こうと考えつつ、ゆっくりと自分のブランドであるmodesteriaを育てていきたいなと思い、商品やホームページを製作し始めています。
個人事業なので大それたことは出来ませんが、革を使って得た収入の一部は動物の保護や環境問題に取り組んでいる企業や団体に寄付して行こうと考えています。
人は生きるために動物の命を頂いているので、その命で得た収入は人のエゴなどで傷ついている動物や環境を保護している団体に回して、命の輪をつなげていければと思います。
自己紹介とも言えない長い文章の拝読ありがとうございました。
今後は商品の事や製作秘話、プライベートや社会活動についてお話しできればと思いますので、末長いお付き合いをよろしくお願いいたします。
2019年夏
modesteria 江田